地震がおさまってからもめまいが治らない、クラクラすることはありませんか?その症状、「地震後めまい症候群」かもしれません。地震が多い日本では起こりやすいめまいです。
今回は、地震後めまい症候群の基礎知識と対処法を解説します。
地震後めまい症候群とは?
地震後めまい症候群とは、地震の後にめまいや体調不良が続く症状です。慣れている人からは「地震酔い」とも呼ばれます。めまいや頭痛、吐き気などが数日に渡って続き、動き回るのが辛くなります。その他、何もしていないのに動悸がする、また地震が来たのではないかと感じるなどの症状もあります。
地震後めまい症候群は普段めまいが起こらない人でも発症するため、すぐには原因が分からないことがあります。自然に治る場合は問題ないですがが、症状が治まらないのであれば、注意しましょう。
・3日以上症状が続く
・対策を行っても改善しない
・頭痛、めまいが酷く立ちっぱなしが辛い
・吐き気がひどく吐いてしまった
これらの症状がでている場合は、病院を受診しましょう。三半規管が原因なのでまずは耳鼻科に行って診察してもらいます。
地震後めまい症候群の原因とメカニズム
地震後めまい症候群の原因は、視覚と三半規管からの感覚にズレが生まれ、不快に感じるからです。気持ち悪くなるメカニズムは乗り物酔いと同様です。
例えば、船から降りた直後はしばらく地面と体が揺れているように感じませんか?普段と異なるシチュエーションで、三半規管の認知する平衡感覚と実際の状況が合わなくなり、脳の生理的反応としてめまいが起こります。
地震後めまい症候群のめまいは、ぐるぐると目が回るめまいではなく、体が「フワフワと浮いている」ようなめまいです。そのため、地震がおさまってからも”まだ揺れている”と感じ、脳と自律神経の働きが安定しません。乗り物酔いと同じように時間が経てば自然と治ることが多い症状ですが、人によっては数日間続くことがあります。
地震後めまい症候群になりやすい人
乗り物酔いする人
車・船・飛行機など、乗り物酔いしやすい人は地震後めまい症候群が起こりやすいです。三半規管が敏感なので地震でも酔いやすいのです。
体調不良の人
乗り物には酔わないけれど、地震が起きた時に体調を崩しているとめまいが起こりやすいです。体調不良により精神的にも不安定になりがちなので、しっかり休養しましょう。
胃腸の弱い人
胃下垂や逆流性食道炎など、慢性的に胃腸が弱い人は酔いやすいです。
地震後めまい症候群の対処法
地震後めまい症候群の対処法は、心身の緊張状態を解くこと、視覚と平衡感覚のズレを取り除くことが大切です。
水を飲む
地震による緊張状態が続き、喉の渇きに気がつかないことがあります。水を飲むと気分も爽やかになります。緑茶やほうじ茶なども落ち着きますよ。
深呼吸をする
地震の後は気が動転しやすいもの。深呼吸することを心掛け、気持ちの乱れを解消しましょう。ゆっくりと息を吸い、長い時間をかけて吐き出して下さい。息を吸うときよりも吐く方を長くして、体内の空気を入れ替えるイメージで吐き切ります。深呼吸を繰り返すことで自律神経の乱れも徐々に改善します。
目を閉じる
地震後めまい症候群は、視覚から得る情報と体の感覚にズレが生じることで起こります。目を閉じて、気分が落ち着くまでじっとしてみましょう。視界が遮断されるため、体の感覚を取り戻しやすくなります。
酔い止め薬を飲む
酔いが翌日も続くようであれば、乗り物酔い向けの酔い止め薬を服用しましょう。基本的には酔い止めなら効果がありますが、「酔ってからでも効く」と書いている薬の方が安心です。
ストレッチや体操
地震の後は、体が強張って肩こりや頭痛などが起こりやすくなります。めまいのある人もない人も、体をほぐすよう心がけましょう。肩を上げ下げする・腕を伸ばす・足を思い切り伸ばすなど、体全体を大きく動かすと地震の緊張が和らぎます。
地震の後は余震への不安や未来のことなど心配事が多く、心身ともに固くなりがちです。意識して体をゆっくり伸ばしてみてください。リラックス効果もありますよ。
一点を見る
三半規管の機能を正常に戻すため、一点をじっと見ます。鏡に映る自分を見つめて、揺れていないことを確認すると分かりやすいです。遠くに見える景色を眺めるのも良いです。自然豊かな景色であれば、リラックスすることもできます。
もし見たい景色がなければ、片手の人差し指を体に近づけたり遠ざけたりして、人差し指を集中して見つめてください。人差し指を何度か往復すると、徐々に周りの見え方が安定してきます。
ツボを押す
酔いに作用するツボを押してみましょう。手の親指と人差し指の間、ちょうど付け根あたりに「合谷」というツボががあります。反対の手でグッと押し込みます。ツボを押しつつ遠くの景色を眺めるなど、気持ちが落ち着く状況で押すのが良いです。