ある日、髪の毛に違和感を感じ、鏡を見たら一部分だけ髪の毛が抜けていたら衝撃ですね。円形脱毛症とは突然、円形の脱毛が起こる病気です。抜け毛というと男性ばかりを想像しがちですが、最近では円形脱毛症に悩む女性も増えてきています。
今日は円形脱毛症について詳しくご紹介します。
円形脱毛症の原因はストレス以外にもある
円形脱毛症といえばストレスがすぐに浮かぶ方も多いかと思いますが、実は円形脱毛症の原因はストレスだけではありません。円形脱毛症になる原因は以下のものがあります。
自己免疫疾患
自己免疫は本来、外から体内に細菌やウイルスなどが入ってきたときに、体を守る働きをしています。しかし、この自己免疫機能が何らかの原因で異常をきたすと、健康で問題のない毛根を有害な異物と判断し攻撃してしまうのです。
アトピー
アトピー性皮膚炎、気管支炎、アレルギー性鼻炎などはアトピー素因といいます。アトピーとは自己免疫機能が過剰に働いてしまうことにより、普通であれば体内に入ってきても問題にならない花粉や、牛乳、ハウスダストなどのアレルゲンに過剰に反応してしまい、皮膚や気管、鼻などに炎症を起こす体質のことを指します。
円形脱毛症患者の４０%以上がアトピー素因を持っており、半数以上が本人もしくは親や兄弟にアトピー素因があればあるほどアトピーと円形脱毛症には密接な関係があります。
出産後のホルモンバランスの変化
女性の場合、出産後に円形脱毛症になる場合もあります。出産後、一時抜け毛が酷くなるという話を聞いたことがあるのではないでしょうか。この抜け毛の原因は、分娩時に黄体ホルモンの分泌量が急激に変化することです。毛周期の関係で産後の抜け毛は分娩後３～４か月くらいの時期に最も多く、徐々に落ち着いていきます。しかし、産後の抜け毛が落ち着いた後も円形脱毛症として残ってしまう症例も見受けられます。
円形脱毛症の種類
円形脱毛症は数種類に分けることが出来ます。
単発型
円形脱毛症の中で一番多くみられるタイプです。突然、豆粒大から５００円硬貨くらいの脱毛が１か所から数か所発生します。中には髪の毛だけでなく、眉毛や体毛に発生する場合もあります。
多発型
脱毛が２か所以上発生するタイプです。治療に長い時間がかかったり、繰り返すことが多いです。
蛇行型
後頭部や側頭部の生え際に沿って帯状に広がって脱毛するタイプです。
全頭型
脱毛が頭部全体に広がり、殆どの髪の毛が抜け落ちてしまうタイプです。治療が難しく長期化することが多いです。
汎発型
円形脱毛症の中で最も重症のタイプです。髪の毛にとどまらず、眉毛や体毛など全身の毛が抜け落ちてしまいます。
円形脱毛症の治療方法
円形脱毛症で症状が軽いものは自然に治る場合が殆どです。ストレスを溜めない生活を心がけても改善がみられない場合は医師と相談のもと様々な治療を行うことになります。
ステロイド局所注射
炎症を抑える効果があるステロイドを患部に直接注射する方法です。発毛効果は高いのですが、患部への注射時に痛みを伴うことや副作用があることなどで子供の治療では使用しません。
局所免疫療法
かぶれを起こしやすい薬を塗り、わざと皮膚にかぶれを起こさせることによって発毛を促す方法です。発毛効果が高い治療法で子供にも使用できる方法ですが、保険適用外のため自費診療となり費用がかかります。
内服治療
ステロイド剤や抗アレルギー作用のある薬を内服する方法です。
雪状炭酸圧抵療法
患部にドライアイスをあて、誤作動した免疫細胞の働きを抑えることによって発毛を促す方法です。
円形脱毛症の再発防止
円形脱毛症の再発防止のためには、精神的にも身体的にもストレスのかからない生活を心がけることが大事です。円形脱毛症の原因はストレスだけではありませんが、ストレスが引き金になって免疫機能に異常があらわれたり、ホルモンバランスが乱れたりして円形脱毛症になることがあるからです。
そして日頃から発毛を促す食べ物を積極的に摂りましょう。脱毛を予防する食べ物でお勧めの食品は牡蠣やあさりなどの貝類です。貝類は発毛に必要なビタミンB群を含み、細胞分裂に必要な亜鉛を多く含んでいるからです。
また、血行をよくする食品を摂り、髪に栄養を行き渡らせやすくすることも効果的です。血行を良くする食品は生姜です。体を温める食べ物と考えれば分かりやすいかもしれません。
そして、ストレス対策に効果が食品もありますので是非摂取することをお勧めします。それはレバー、納豆、ピーナッツなどです。これらの食品にはストレスと戦ってくれる物質を作り出すパントテン酸を多く含んでいるからです。
円形脱毛症は再発しやすい病気です。遺伝的要因もありますので、再発に気をつけた生活を送っていても１００％防げる訳ではありません。しかし、再発防止に効果が期待できるものは積極的に取り入れていきましょう。再発防止を心がける生活を送ることにより、自分の中で「また再発するのでは」という不安を軽くすることが出来ます。
