薄毛の原因は、遺伝、生活習慣、男性ホルモンの量、ストレス、食生活などによる影響があります。これといって、特定されるわけではありません。
そして、もう一つ、薄毛の原因に「便秘」が絡むこともあります。
一見関係なさそうな薄毛と便秘ですが、この二つはどう関係するのでしょうか。
便秘は思いのほか身体に悪影響が
便秘は腸に便が留まってお腹が張って苦しいだけでなく、それが長期間続いたり、頻繁に便秘になることで、身体に様々な影響を及ぼします。
便秘の状態というのは、便が腸内に留まっている状態が長いので、便から毒素が発生することで、それが腸壁から吸収され、血液と一緒に全身を流れていくことになります。
便秘になると、お腹でガスが発生しやすくなります。頻繁におならとして出すことが出来ればまだマシかもしれませんが、おならを我慢することで、その我慢したおならが腸壁を通じて吸収されてしまいます。
腸壁から吸収された毒素と共に、血液が全身を巡るようになるので、ニキビや肌荒れ、アレルギーの原因にもなります。女性にとって、ニキビや肌荒れは深刻ですね。
キレイな血液が全身へ行き届かなくなると、肝臓の解毒作用が弱り病気を招きやすくなります。最悪、ガンの原因にもなることも。老化だって進めてしまうのです。
髪の毛と腸内環境の関係性
腸内環境が良いに越したことはありませんが、腸内環境って髪の毛に影響するものなの?って疑問に思うかもしれません。
腸内環境が乱れることで、本来食べて栄養吸収されるべきものがきちんと吸収されずに腸内で腐敗しやすくなります。腐敗が進めば、有害物質が腸壁から吸収されてしまい、血液と共に全身を巡るようになります。
悪玉菌が多い腸内環境であれば、食べ物が腐敗しやすくなります。一方、善玉菌が多い環境であると腐敗よりも発酵のほうが優勢となります。
悪玉菌が多く老廃物や毒素が増えると、免疫力が下がったり、毒素の解毒に肝臓や腎臓に負担がかかってしまいます。
このように内臓で負担がかかってしまうと、身体は生命維持が必要なところから順に栄養を回したり修復をしていきます。そうなってくると、髪の毛は二の次とされ、栄養不足になりやすくなります。髪の毛が細くなって、髪の毛が育ちにくくなってしまいます。
また、免疫力が衰えれば、雑菌などで頭皮が炎症を起こした際に回復も遅れます。
先程、便秘で便が腸内に滞ると、血液が汚れていくとお話ししました。そうなってくると、血液が汚れることで、血液の流れが悪くなります。健康的なサラサラした血液なら栄養も隅々まで届きやすいところ、血液がドロドロしていると細部まで栄養が届きにくくなってしまいます。
便秘がハゲを招くメカニズム
便秘になると、腸内の悪玉菌が増えて、食べた食べ物が腐敗しやすく、老廃物や毒素が腸壁から吸収されて全身を巡るようになります。血液がドロドロとして、髪の毛にとって必要な栄養成分も行き届きにくくなってしまうので、髪の毛が細くなって抜け毛が増えたり薄毛に進行しやすくなります。
また、腸の調子が悪くなることで、ビオチンという成分が不足しやすくなります。このビオチンは、爪や髪の毛の成長に関わり、またアレルギーやうつ病にも効果的なビタミンのことです。このビオチンは食事からも摂取出来ますが、腸内細菌からも作られる成分なのです。腸内環境が悪くなると、作られにくくなってしまうのです。
便秘で血液が汚れると、肝臓はせっせと解毒しようとします。そして、それが慢性化すると肝臓が弱ってしまい、頭皮に栄養が行き渡りにくくなってしまうのです。
便秘を改善する食生活
発酵食品を積極的に摂る
発酵食品には乳酸菌がたくさん存在します。乳酸菌により腸内の善玉菌を増加させて、腸内環境を整え、便秘を解消させましょう。
発酵食品は、ヨーグルト、チーズ、漬物、キムチ、納豆などです。
オリゴ糖の摂取
オリゴ糖は腸内で善玉菌の餌となってくれます。善玉菌の餌となれば、腸内で善玉菌が増える仕組みになります。
オリゴ糖は市販でも「オリゴ糖」として売られていますし、食品にははちみつ、ゴボウ、アスパラガス、砂糖ダイコンなどに含まれています。
食物繊維を摂ってお腹スッキリお掃除
食物繊維も便秘解消に良く、食物繊維には水溶緒性食物繊維と不溶性食物繊維の2種類があります。この2つの食物繊維は、摂取すると良いバランスがあります。それは水溶性食物繊維が1なら、不溶性食物繊維は2の割合で摂取すると便秘解消に良い割合になります。
水溶性食物繊維は、水分を含むゲル状の食物繊維でキウイ、オクラ、キノコ類、海藻類、納豆、コンニャク、山芋などに含まれ、便に水分を含ませ、善玉菌を増やす働きがあります。
不溶性食物繊維は、水に溶けにくい繊維質でリンゴ、おから、ゴボウ、イモ類などに含まれ、便のカサを増して腸内の蠕動運動を促進させてくれます。
髪の毛に良い食事
ビオチン
ビオチンとはビタミンB7のことで、皮膚、髪の毛、爪の成長に欠かせないビタミンです。糖質、タンパク質、脂質の代謝を促し、セラミドやコラーゲンの合成もしてくれます。
不足すると、髪の毛が細く抜けやすく薄毛の原因となったり、白髪も発生しやすくもなります。
食事からも摂取することも出来ますが、このビオチンは体内でも産生されます。ですが、腸内環境が悪いとビオチンが不足しやすくなります。他にも、喫煙や飲酒、食生活の欧米化などでも不足しやすくなります。
腸内環境を良くすることで作られていくビオチンですが、ヨーグルトなどの乳製品の摂り過ぎで、ビオチンの吸収を妨げてしまうので注意して下さい。
アミノ酸
髪の毛はケラチンというタンパク質で出来ています。このケラチンが不足することで、髪の毛が作られなくなります。
ケラチンとは、18種類の中のアミノ酸で出来たタンパク質の総称のことです。なので、アミノ酸の摂取も必要になります。アミノ酸は、体内で合成できないので食品で摂取するように心がけましょう。
アミノ酸が含まれる食品でお勧めなのが「味噌」です。味噌には、ビタミン、ミネラル、不飽和脂肪酸などの様々な栄養素が含まれています。
アミノ酸も含まれ、そのアミノ酸を髪の毛に形成するビタミンやミネラルも含まれているので、髪の毛を育てるにはお勧めな食品です。加えて、味噌は発酵食品なので、腸内環境も良くしてくれます。
控えたい食事
薄毛に悩む人が増えてきた原因の1つに食生活の欧米化が挙げられます。
食生活の欧米化、つまり和食が減り、洋食や脂っこい食事が増えたことで、腸に負担をかけていることが考えられます。高脂質な食事は腸に負担をかけます。
和食には、味噌、醤油、みりんなどの調味料が使われます。これらは発酵食品なので、腸にとっては良い調味料になります。ですが摂り過ぎは塩分過多になるので気を付けて下さい。
高脂質な脂っこい食事ではなく、昔ながらの和食を中心とした野菜や魚を多く摂った食事が腸内環境を良くしてくれます。
腸内環境が悪くなると、髪の毛にも影響してしまいます。
腸内環境を良くするには、腸内で善玉菌を増やすことなので、乳酸菌を摂取したり、食物繊維を摂取して便秘を解消することが大事ですね。