食べ過ぎたり飲み過ぎたりしたことが原因で、胃に感じる不快感。この胃もたれは誰でも経験がありますよね。胃が重かったり、痛みを感じたり、吐き気がしてしまう胃もたれ。胃もたれが起こってしまうのは、食事の内容と食べ方が大きく影響しています。そこで今回は、辛い胃もたれを解消するための方法をご紹介します。
胃もたれの症状とは?
胃もたれの症状は、胃酸が出にくくなったり、消化機能が低下し、食べたものが胃の中にとどまってしまうことで起こる症状をいい、胃が重くなったり、張ったり、吐き気を感じます。
胃もたれの症状と間違われやすいのが、胸焼けです。
胸焼けの症状は、キリキリするような胸の痛みや焼け付くような痛みを感じるのが特徴で、これは、胃酸が逆流することによって起こるものです。
混同されがちですが、胃もたれと胸焼けは全く別物です。
胃もたれの原因
胃もたれが起こってしまう原因は、大きく3つあります。
まずひとつめが食生活によるものです。暴飲暴食や刺激の強いもの、脂っこいものの食べ過ぎ、早食いなど、胃に負担をかけてしまうことによって、胃の機能が低下してしまうために起こります。
次に胃の働き自体が低下しているために起こります。胃の機能低下する原因としては、加齢や運動不足があげられます。
そして最後に自律神経のバランスの乱れからくるものです。自律神経は交感神経と副交感神経が交互にバランスよく働いていますが、そのバランスが乱れてしまうと胃の機能が低下して胃もたれを起こしてしまいます。
胃もたれが一時的な場合は問題はありませんが、慢性的に続く場合にはこれらの原因以外に炎症や潰瘍、ポリープなどができてしまっている可能性が考えられます。
増えている機能性ディスペプシアとは
胃薬を飲んでも効果がなく、胃カメラなどで検査をしても胃に異常がないにも関わらず、慢性的に胃もたれが続く病気を機能性ディスペプシアといいます。
機能性ディスペプシアはストレスや生活習慣の乱れが原因で引き起こされるもので、胃に異常はないのに胃の消化機能が低下するものです。最近では機能性ディスペプシアによる慢性的な胃もたれに悩む方が増えてきています。
胃もたれを解消する方法
1.消化の良いものを食べる
胃もたれは、食べ物が胃の機能低下によって胃の中に滞っている状態です。消化の良いものを食べることで、胃に滞っているものも一緒に消化することができます。
消化の良い食べ物には、大根、キャベツ、りんご、ヨーグルトなどがあります。
特に大根にはアミラーゼやプロテアーゼという消化を助ける成分が含まれています。ムカムカして吐き気がするときにもおすすめの食材で、加熱することで消化を助ける成分が失われてしまうので、サラダや大根おろしにして生で食べるようにしましょう。
2.食事をせずに胃を休める
胃もたれが起こっているときは胃を休めるために食事をしないというのも胃もたれを解消する方法として効果的です。
胃もたれでは胃の中に食べたものが消化されずに滞ってはいますが、時間をかければちゃんとそれらは消化されますから、胃の中のものがきちんと消化されて空っぽになるまで胃を休めるようにしましょう。
3.ツボを押す
胃もたれに効果のあるツボを押して辛い症状を解消しましょう。
胃もたれの症状を感じたときに押したいのが「中かん」です。体の中心、みぞおちとへその間にあるツボで、ここを刺激することで、胃の痛みや消化不良改善に効果があります。
4.入浴のタイミングを変える
食後に入浴する場合は、食休みをとることが胃もたれには有効です。
食後30分~1時間は入浴は避け、消化機能を低下させないようにしましょう。また39度程度のぬるま湯に長く浸かるのが効果的です。ぬるま湯にゆっくり浸かるとリラックスできるので、胃もたれの原因となる自律神経を整えるのに効果的です。
5.右側を下にして寝る
体の右側を下にすると、十二指腸へ食べたものが流れやすくなります。胃の消化を助けることになりますから、意識してみましょう。また、睡眠不足は自律神経を乱れさせる原因にもなりますから、夜ふかししないようにしましょう。
6.コーヒーを控える
コーヒーに含まれるカフェインで胃酸過多を引き起こし、胃もたれの原因となる場合もありますので、空腹時のコーヒーは避けるようにしたり、ミルクの量を増やして飲むようにしましょう。
7.甘いものを避ける
糖分や脂肪分を多く含むスイーツなどの甘いものは、胃の機能を低下させてしまいますし、脂肪を消化するのには非常に時間がかかるため胃にとってかなりの負担になってしまいます。
胃もたれを予防する方法
年末年始など飲み会や食事会が続く場合、どうしても胃もたれが起こりやすくなってしまいますね。胃もたれが起こってから解消方法を実践するよりも、まず胃もたれが起こらないよう予防することも大切です。
大切なのはしっかり噛むことです。
食べるときにしっかり噛んで飲み込むことで、胃の消化を助けることができますから、胃もたれを予防することにつながります。1口30回噛むことを意識しましょう。
また胃の消化機能を低下させないためにも、普段から適度な運動や、上手なストレスの発散、規則正しい生活で自律神経のバランスの乱れを防ぎましょう。