女性は貧血の経験がある人はかなり多く、女性のめまいは貧血の代表的な症状と思われている方もいらっしゃいます。
たしかに女性には貧血になりやすい条件が男性と比べて揃いやすいので、貧血には注意する必要があります。
貧血には色々なタイプがありますので、原因や対策を確認しておきましょう。貧血の経験がある方は改善方法に参考にしてください。
貧血の原因は？
貧血の中でも一般的に多いのが、鉄分不足による貧血です。「鉄欠乏性貧血」と呼ばれる貧血の症状です。
血液を通して酸素を運ぶ赤血球ですが、この赤血球に含まれているヘモグロビンと酸素が結合して全身に酸素を運ぶ役割をします。
血液検査でヘモグロビンの数値が低いと、鉄欠乏性貧血と診断されます。これは、ヘモグロビンを作るために鉄分が必要だからです。
重度の鉄欠乏貧血になると、鉄剤を飲んで治療する場合もあります。妊娠中は特に鉄分不足による貧血が胎児に与える影響が心配されるため、鉄剤を処方されることもあります。
そして女性は毎月の生理で経血として血液を必要としますので、それが貧血の原因になっていることがあるのです。
貧血の種類
鉄分不足による貧血は、鉄分を補う食生活を心がけたりすれば改善が見込まれる良性の貧血です。
ただ、貧血にも色んな種類がありますので油断はできません。鉄欠乏性貧血以外の貧血です。
出血性貧血
出血性貧血は、何かの病気が原因で持続的に出血してしまうことで血液が不足して起こる貧血です。
胃潰瘍や大腸の病気など、身体の中で出血が起こっている病気があると貧血を起こすことがあるので注意しなければいけません。
女性では、子宮筋腫や子宮内膜症などで経血の量が異常に多くなるような時には注意しなければいけません。
溶血性貧血
貧血の種類としては珍しいタイプですが、正常な赤血球とは違って短い間隔で赤血球が壊れてしまったりすることで起こる貧血です。先天性で起こる赤血球の異常と、後天性の原因で起こるものがあります。
白血球に異常を起こす病気によって起こることもあり、油断できない貧血です。
再生不良性貧血
再生不良性貧血は、造血幹細胞という骨髄にある血液を作る工場に異常を起こすことが引き金になる貧血です。
造血には赤血球、白血球、血小板、血液の細胞が必要です。これらの細胞が減少してしまう病気で、治療が難しい難病です。
再生不良性貧血は、重い貧血症状の他に出血すると血液を止めることができないという怖い貧血なので、小さな外傷が命にかかわるようなことになることもあります。
貧血に良い食べ物
貧血の原因が鉄分不足である場合は、日ごろの食生活を改善することで貧血を予防することができます。鉄分を多く含む食品はもちろんですが、貧血を予防するために必要な栄養をしっかり補えるように、貧血に良い食べ物を栄養別にご紹介しましょう。
鉄分
赤身の肉、魚、レバーなどはヘム鉄という鉄分が豊富です。非ヘム鉄は海藻類や野菜類、大豆製品などに多く含まれるもので、ひじきやほうれん草などが有名です。
非ヘム鉄とヘム鉄を比較すると、ヘム鉄の方が体への吸収率が高く、約30％が吸収されます。対して非ヘム鉄は約5％の吸収率なので鉄分だけを補うという点では、肉や魚などの方が優れています。
ただ、海藻や野菜などは乾燥させて加工されたものがありますので、血液を作る上で必要なビタミンなどと一緒に摂取するという点では非ヘム鉄を多く含む海藻類なども優れています。
ビタミンB
ビタミンB群には血液を作る働きを助ける効果があります。ビタミンBには数々の種類がありますが、ビタミンB12、ビタミンB6、葉酸などが造血になくてはならない栄養素です。
ビタミンBを含み、血や骨、筋肉のもとになるタンパク質も含む食品はキハダマグロ、アナゴ、うなぎ、イワシ、カツオ、あさり、レバーなどです。
貧血を改善する生活習慣
貧血と低血圧を同じように考えている方がいますが、貧血と低血圧は別物です。貧血は血液が薄くなり、酸素を十分に運べなくなることで起こるもので、低血圧は心臓が血液を押し出すチカラが弱い状態です。
クラクラしたり、めまいを起こす原因が貧血から起こるのか、それとも低血圧から起こるのかは検査をすればすぐにわかります。低血圧の場合は、午前中に症状を起こす場合が多く、午後になると徐々に改善されることもあります。
低血圧と貧血は別のものですが、共通することもあります。それは日常生活の改善で対策できることがあるからです。
貧血は食生活の見直しがとても重要ですが、もう一つ大切なことが睡眠です。というのも、食べ物で鉄分や造血効果のある栄養を補ったとしても、睡眠不足では鉄分の吸収が悪くなります。
せっかく補った鉄分が無駄にならないように、しっかりと睡眠時間を確保するようにしましょう。睡眠は健康を左右しますから、睡眠時間はもちろんのこと、良い睡眠をとれるように、睡眠の質にもこだわってみましょう。
