キレイにスタイリングしたはずなのに、いつの間にかボワッと広がる髪。それは髪のダメージも原因になりますが、静電気という厄介者の仕業でもあります。
髪の静電気はどうしたら防げるのか、その方法はあまり知られていません。そこでヘアスタイルのまとまりを邪魔する静電気対策について解説します。
髪に静電気が発生する理由
髪に静電気が発生しやすい季節があるのは感じていますか?髪だけじゃなく、例えばドアノブに触った時にバチっとくる静電気も同じく、空気が乾燥した冬になると発生しやすくなりますよね。
静電気が発生しやすい体質の人がいるという説もありますが、その真相は解明されていません。ただ、誰でも同じように乾燥して空間で化学繊維の洋服を摩擦させれば静電気が発生します。多少の差があったとしても静電気は誰にでも発生するものなんです。
ですが、髪の毛に静電気が発生しやすい人とそうでない人には明らかに違いがあります。それは、髪の水分量です。
髪の毛を洗った後にはドライヤーを使って乾かしますが、しっかり乾かさないとキューティクルが閉じないので髪を傷めてしまいます。ですが、しっかり乾かしたとしても髪に必要なうるおいを保持できていれば水分量が少なくなりすぎないので静電気が発生しにくくなるのです。
乾いた部屋で髪と髪が摩擦したり、ブラシと髪が摩擦することで静電気がどんどん発生しますから、せっかくスタイリングした後でもモワッと広がってしまうのです。
髪の乾燥の原因
髪に静電気が発生する最も大きな原因になるのは髪の水分量ですが、どうして水分量が少なくなって乾燥した髪になってしまうのでしょうか。
その原因は髪のダメージにあります。髪の表面にはキューティクルという保護膜があります。これは濡れた時には少し開いた状態になりますが、乾燥するとピタッと閉じて髪の内部の水分の蒸発を防ぎます。
ところが、髪が傷んでいるとキューティクルがところどころ欠けた状態になるので、乾かした後にもどんどんと水分が蒸発してしまうんです。健康な髪は12%前後の水分量を保持しているのですが、ダメージのヒドイ髪は10%以下になってしまいます。
キューティクルが剥がれた状態を補修するお手入れをしないと、髪の乾燥は防げません。キューティクルというのはかなりデリケートなもので、とくに濡れた状態で傷みやすくなります。
シャンプー後の濡れた状態でゴシゴシと強く擦ってタオルドライをしたり、高温過ぎる熱風で乾かしたりするとキューティクルが火傷してしまうこともあります。
髪を保護する大切なバリアの役目をするものなので、傷つけないように注意しましょう。
髪の静電気をとる方法
髪の静電気が発生しないように、乾燥を防ぐお手入れをしていても、完全に静電気を阻止するのは難しいです。カラカラに空気が乾いた季節には、外出先でもモワッしてしまい、時には布製品と摩擦してパチっと感じることすらあります。
そんな時の応急処置方法として仕えるのが、オイルやクリームです。髪の静電気を防ぐためのスプレーやミストでもイイですが、それを持っていない時でも女性のバッグであればハンドクリームくらいは入っているのではありませんか?
ハンドクリームを手に塗り、しっとりとした状態で髪に手ぐしを通すと、バチバチの静電気をとる効果があります。ブラッシングの時に使用するブラシを樹脂製ではなく、天然の素材で作ったものに変えると静電気が発生しにくくなりますよ。
ブラシの柄の部分は木製で、ブラシの毛の部分は豚や猪などの動物の毛を使ったものなら静電気を起こしにくくなります。プラスチック樹脂のモノよりも高価なブラシですが、一度買えば長く使えるものなのですから、ムダにはならないでしょう。
髪の静電気発生を防ぐコツ
髪がうるおっている状態を保つことができれば、髪が広がるほどの静電気を起こすことは少なくなりますが、どれだけ髪のお手入れをしていても、外からの乾燥がヒドイ時には髪もうるおいを保ちにくくなってしまいます。
静電気が発生しにくくするためには、お部屋の乾燥も防ぐようにしないといけません。冬は室内に加湿器を置いて湿度を保つようにしましょう。
そして、眠っている間にも寝具と髪の摩擦で静電気が発生しやすくなるので、枕や毛布などは化学繊維のものではなく、コットンやシルクなど、天然の素材から作られたものを選ぶとさらに予防効果がアップします。
そして朝の髪がすでにパサパサに乾燥してしまうダメージヘアは、ヘアオイルを使って油膜でコーティングする方法も静電気予防に効果があります。
オイルは使い過ぎるとべタッとしてしまいますが、髪が濡れた状態で少量をまんべんなくなじませてから乾かすと、オイル特有のベタっとした重いテクスチャーはありません。
髪に良いオイルと言えば椿油が有名ですが、他にもアルガンオイルやアプリコットオイルなどもおすすめです。植物オイルには髪のダメージを修復する効果も期待できるので、静電気予防しながらダメージケアもできるから便利だと思いますよ。
髪に静電気が発生しやすいのは、ダメージが大きな原因です。見た目には傷んでいるように見えなくても、髪はうるおいを守る力が弱まっているのです。髪がダメージを訴えているサインだと思って、しっかりお手入れするようにしてくださいね。