お肌の乾燥にお困りの方が行う乾燥肌対策は、保湿クリームなどを塗るくらいでしょうか?乾燥肌は顔だけじゃなく、全身の皮膚の乾燥で湿疹やかゆみなど皮膚炎を起こすこともあります。
保湿クリームを塗って乾燥肌を一時的にうるおすのも良いですが、本当の乾燥肌対策は身体の内側から潤い成分を分泌できるようにすることです。
そこで今回は、乾燥肌対策のために外側からではなく、内側からの対策に効果のある食生活のヒントをご紹介したいと思います。
食生活と乾燥肌の関係性は?
乾燥肌の原因になるのは、加齢や生活習慣、間違ったスキンケアなど色々なことが関わっています。その中でも食生活と乾燥肌は深いつながりがあります。
そもそも、私たちの皮膚はクリームなどを使って保湿なんかしなくても、カラダの内側から皮脂膜という天然のクリームを分泌します。
その天然のクリームを作り出すのは、食事から摂った栄養が原料になり作り出されますので、食生活が肌の乾燥を防ぐためには重要なのです。
肌のうるおいを保持するチカラは、角質層の細胞の隙間を埋める細胞間脂質や約80%、そして天然保湿因子(NMF)が約18%でキープされています。
このバランスが崩れてしまうと肌の水分を保持することが難しくなってしまいますから、外側からせっせと保湿成分を補わなければカサカサの肌になってしまうのです。
内側からのうるおいは、食べ物をもとに生産されますが、若い世代の女性に乾燥肌が増えているのはダイエットや偏食によって栄養バランスが乱れていることが関係しています。
年齢を重ねれば天然のうるおい成分を作る生産力はどんどん低下してしまいますが、若い時からカサカサ乾燥をそのまま放置していると、10年後20年後にはどうなってしまうのか、想像するだけでゾッとしてしまいますね。
乾燥肌の人が摂りたい栄養素
乾燥肌を防ぐためには、栄養バランスが崩れないようにするのが理想的です。とくにお肌に重要な役割をする栄養素をあげてみました。
タンパク質
タンパク質は骨、血、肉など、カラダの基礎を作るのに欠かせない栄養です。お肌の保湿に重要な天然保湿因子はタンパク質をもとに作られます。
角質層の代謝もタンパク質が足らなくなると乱れてしまうので、タンパク質はしっかりと摂りたい栄養素です。
必須脂肪酸
必須脂肪酸はいわゆる脂ですから、ダイエットをしている女性やコレステロールや血中脂肪が気になる人は控えたくなるものですが、必須脂肪酸(とくにオメガ3)に関しては、脂質の中でも細胞の代謝に関わる重要なものです。
太りやすくなるとか、血液をドロドロにする脂質とは違い、逆に血液サラサラ効果や脂肪の代謝をすすめるので、適度に摂った方が良いのです。
脂質ですからカロリーは高いですが、極度な脂質抜きダイエットは皮膚をカサカサにしてしまい、弾力まで失わせてしまいます。
亜鉛
亜鉛は皮膚や髪の毛などの健康に欠かせないミネラルです。亜鉛不足になると肌荒れを起こしたり、口内炎や湿疹などのトラブルを起こすこともあります。
ダイエットをしていて食事のバランスが乱れていると亜鉛不足になるので注意が必要です。お酒を飲む人は亜鉛の消費が多くなるので、飲酒時には亜鉛をしっかり補うことにしましょう。
ビタミン
ビタミンは種類が沢山ありますが、特に肌に重要なビタミンと言われているのがビタミンエース(ACE)です。ビタミンはどれか一つが突出して必要なわけではなく、それぞれがバランスを取り合っている状態が理想的です。
ただ、ビタミンの役割によって消費されやすいものから少量でもしっかり働くものがあります。お肌に重要なビタミンA、ビタミンC、ビタミンEとなりますが、もう一つビタミンB群というグループもお肌の健康には重要です。
ビタミンCはとにかく大量に消費されるビタミンで、コラーゲンを生産するのにも重要な栄養です。美肌のビタミンCと呼ばれるくらいなので、ビタミン摂取の中心にビタミンCを置いておくようにすると食生活に取り入れやすいのではないでしょうか。
乾燥肌に良い食べ物
乾燥肌対策に必要な栄養を効率よく摂るための食品です。食事をする時に意識して摂れるように覚えておきましょう。
タンパク質
タンパク質は肉、魚、タマゴ、乳製品、大豆などです。肉や魚の中でも脂肪の少ない鶏肉のささみや牛肉の赤身などは高タンパク低カロリーな食品です。
動物性のタンパク質だけじゃなく、日本人の食生活になじみのある大豆は「畑の肉」と呼ばれるほどタンパク質が豊富です。
必須脂肪酸
体内で作ることができない必須脂肪酸の中でも、特に大切な働きをするオメガ3系脂肪酸は、イワシ、サバ、サーモンなどに多く含まれます。魚をあまり食べない食生活の人は、必須脂肪酸が不足しやすくなります。
イワシやサバが苦手な人はえごま油や亜麻仁油、くるみなどでも補えます。
亜鉛
皮膚の代謝に必要な亜鉛は牡蠣、しじみ、あさり、牛肉、レバー、胡麻などに多く含まれます。
亜鉛はDHA、DNAの合成にも必要なミネラルなのでしっかりと補うようにしましょう。
ビタミン
主なビタミンは水溶性が9種類、脂溶性が4種類です。ビタミン様物質と呼ばれるものも含めると、その数はかなり多くなります。
ビタミンは野菜や果物、肉や魚など口にする食品のほとんどに何らかのビタミンが含まれています。
乾燥対策のために重要なビタミンを摂るためにはできる限り多くの種類の野菜や果物を摂るように意識することが大切です。
食生活の見直しの効果
乾燥肌対策には食生活を見直すことは基本です。食べ物がうるおい成分のもとになることを意識したことがなかった方は、お肌が喜ぶものを美味しく食べられるように食習慣を変えていきましょう。