若い人の間でも多くなっている、夕方老眼という症状を知っていますか?私たちは仕事や日常で目を酷使することが増えてきており、このような症状が若い世代にも広がっています。老眼にはまだ早いはずの若い層に多く見られる夕方老眼について、その原因や症状を詳しくご紹介します。
「夕方老眼」とは?
夕方になると、近くのものが見えにくくなる老眼のような症状が出ることを「夕方老眼」といいます。老眼は一般的には40代以降になると多くの人がなるとされていますが、この老眼が20代や30代の若者にも多く見られるようになっています。
また、週の初めはそうでもなかったのに、木曜日や金曜日になると近くのものが見えづらくなるという老眼の症状が出る人もおり、こちらは「週末老眼」といわれています。
この症状を放置していると、結果的に老眼を早めてしまうことになるのです。
夕方老眼の原因と症状
夕方老眼は、日中の目の酷使により、疲労が蓄積して起こるものです。原因としては、次のようなことが考えられます。
1.スマホやパソコンの作業が多い
会社でもプライベートでも、スマホやパソコンを使う機会が増え、目にかかる負担が増えています。朝は調子がよくても夕方には眼精疲労により目に疲れを感じます。またスマホやパソコンの画面を近くで見続けることも、疲労の原因となります。
2.夕方には目が乾く
エアコンによる乾燥しがちな環境や、パソコンの作業で画面を注視することでドライアイになっていることも原因の一つです。
3.ブルーライトの影響
デジタル機器にブルーライトが多く使われていることから、目にブルーライトの刺激を受ける機会が増えています。ブルーライトは波長が短く、網膜に刺激を与えてしまい、疲労を増大させてしまいます。
では、「夕方老眼」にはどんな症状があるのでしょうか。
・近くの字が見えづらい
・目の疲れを感じる
・視界がぼやける
・頭痛や肩こりがひどくなる
といった症状が夕方になると起こるのが夕方老眼といえます。
老眼は、ものを見るときにレンズとなる水晶体が加齢によって弾力をなくし、同時に水晶体を支えている筋肉である毛様体筋が衰え、ピントを合わせることが困難になることから起こります。若い世代に起こる夕方老眼は、この毛様体筋が疲労で固くなり、ピント合わせが出来なくなることで起こるのです。
夕方老眼を防ぐためには?
夕方老眼を防ぐためには、まず目の疲れをその日中にリセットすることが何よりも大切です。そして同時に、長時間スマホやパソコンを使う人は、作業する環境なども整える必要があります。
目を温める
緊張が続き、固くなっている毛様体筋をリラックスさせるためには、目を温める方法が有効です。家に帰ったら、40度程度に温めた蒸しタオルを目に当て、10分ほどリラックスすることで緊張を緩めることが出来ます。
またドライアイや目のかすみも、目を温めることで解消できます。
深呼吸をする
作業中にパソコンの画面を見続け、まばたきの回数が減ると涙がうまく分泌されず、目が乾いてしまいます。体が緊張状態にあると、涙の分泌量も減ってしまいますので、作業を中断し、深呼吸をするなどして体をほぐしましょう。
遠くを見るようにする
体をほぐすのと同時に、窓から遠くを見るトレーニングをしましょう。近くと遠くを交互に見ることで毛様体筋の緊張をやわらげることが出来ます。遠くが難しいなら、5mほど離れたものを見るだけでも違います。
パソコンの画面と距離をとる
モニターと目との距離は50cm以上あけるようにしましょう。またブルーライトカット効果のあるPC眼鏡をかけることや、モニターにブルーライトカットフィルターを張るのもおすすめです。
家では度の弱い眼鏡をかける
コンタクトレンズや眼鏡は矯正で度を強くしてあるため、つけているだけで疲労がひどくなることがあります。またコンタクトレンズは長時間の使用でドライアイになりやすくなってしまうのです。
家に帰ったらコンタクトレンズや仕事用の眼鏡は外し、度の弱い眼鏡に掛け替えるようにしましょう。
目に効果的な栄養を摂る
目の粘膜にも関わるビタミンA、水晶体を支えるビタミンC、そして網膜を活性酸素から、水晶体を紫外線など外部からの刺激から守る働きをする、ルテインなどを積極的に摂るようにしましょう。
ビタミンAは鳥や豚のレバーのほか、緑黄色野菜にも豊富に含まれているものです。ビタミンCの摂取には果物のほか、ピーマンやモロヘイヤ、ブロッコリーなどがおすすめ。
ただ、ルテインは緑黄色野菜にも含まれますが、ほうれん草以外はあまり多くなく、食事からの摂取だけでは難しいため、サプリメントなども上手に活用しましょう。
女性はメイクにも気をつけないと、夕方老眼に?
女性のアイメイクがドライアイや眼精疲労を引き起こす原因にもなっていることをご存じでしょうか。
睫毛の際の内側にあるマイボーム腺は、目の乾きを防ぐ油分を分泌しています。しかし目の際までしっかりアイメイクをしてしまう、またメイクを落としきれないと、マイボーム腺がメイクでつまり、十分な油分を分泌することが出来なくなってしまいます。これにドライアイなどの症状が重なり、夕方老眼を引き起こしやすくなるのです。
夕方老眼を予防、また改善するためには、アイメイクもなるべく控えることが大切です。