腹筋を鍛えると聞くと、お腹が割れて引き締まったイメージが思い浮かびますが、腹筋を鍛えることは、見た目だけでなく体の中から健康な体作りをしていくには必要なことなのです。そこで今回は、女性が腹筋を鍛えることのメリットと、腹筋を鍛える具体的な方法についてご紹介します。
そもそも「腹筋」とは?
実は腹筋という名前の筋肉は、存在しないということを知っていますか。お腹にある腹筋とは、4つの筋肉をまとめた呼び方です。
腹筋を構成する4つの筋肉
腹直筋
お腹の中央にあり、胸の下から真っ直ぐ下腹まで縦にある筋肉です。
外腹斜筋
側筋とも呼ばれる筋肉で、お腹の中央から斜め上に走っている筋肉のことです。
内腹斜筋
外腹斜筋の深部にある筋肉で、お腹の中央から斜め下に走っています。
腹腹筋
内腹斜筋のさらに奥にある筋肉で、お腹の中央から横に向かって真っ直ぐ走っています。
一般的に腹筋というと腹直筋のことをさし、ここが割れている状態のことをシックスパックといいます。
腹筋を鍛えることのメリット
腹筋を鍛えるメリットには、引き締まった体になる、また腹筋を割ると見た目にもかっこいい、といったこともありますが、腹筋を鍛えることで体の中から健康な体を作るメリットがあります。
1.姿勢がよくなる
人間の体は、骨だけではなく筋肉でも支えられています。特に重い頭を支えるため、姿勢が悪くなるのはお腹周りの筋肉が弱っていることから起きます。腹筋を強くすれば、背骨と下半身をしっかり支えることができるので、姿勢がよくなり、バストアップとなるほか、体全体がバランスの取れた体型になります。
2.基礎代謝がアップする
ダイエットをしてもなかなか上手く痩せないのは、筋肉量が少なく、脂肪を燃焼させる働きが正常におこなわれないためです。腹筋を鍛えて代謝を上げることで、余計な脂肪が体につきにくくなります。
3.むくみや便秘の解消
筋肉量が増えると代謝がアップしますが、代謝が上がると同時に体温も上がります。体温が低いと血行が悪くなるだけでなく、下半身に水がたまりがちになりむくみの原因ともなります。血行がよくなれば冷えが解消され、体の循環機能が正常になることに加え、自律神経も整うので、新陳代謝がスムーズにおこなわ、便秘の解消につながります。
4.ぽっこり出てしまったお腹を解消
腹筋が弱いと、姿勢が悪くなるだけでなく、下腹が出るようになります。下腹が出ると、冷やさないように体が脂肪をつける働きをしてしまい、お腹が突き出た状態になるほか、腸の動きが低下するため便秘がちになることも下腹が出る悪循環となります。腹筋でお腹をきちんと支えることができるようになれば、お腹も引き締まります。
5.腰痛の予防
背骨と骨盤を支える腹筋が弱いと、体のバランスを取ろうとして、骨盤のゆがみなどが起きやすくなり、腰痛や肩こりの原因となります。腹筋で上半身、下半身をそれぞれしっかり支えることができれば、腰痛を予防するだけでなく、腰痛で悩んでいる人も改善が可能なります。
6.疲労がたまりにくくなる
腹筋を鍛えることは、二本足で活動する人間にとっては、体のバランスを取るだけでなく、下半身にかかる負担を軽減することにつながります。特に女性は妊娠や育児で、重いものを支えることも多いことから、腹筋を鍛えることはそういった負担や疲労を軽減することにつながります。
腹筋の鍛え方まとめ
腹筋を鍛えるためには、腹筋だけでなくインナーマッスルも合わせて鍛えることが必要です。鍛える場所ごとの方法をご紹介しますので、チャレンジしていきましょう。
腹直筋を鍛えるストレッチ
1.仰向けに横になり、両腕を頭の後ろで組みます。
2.足を上に向かって伸ばし、ひざのところで折り曲げて浮かせます。
3.頭を持ち上げて、おへそをのぞき込むようにします。
4.ゆっくりと戻します。
動画を参考におこなってみましょう。
脇腹を鍛えるストレッチ
1.仰向けに横になり、両腕を頭の後ろで組みます。
2.足を上に向かって伸ばし、ひざのところで折り曲げて浮かせます。
3.上半身を持ち上げます。
4.頭を左に向け、右足を伸ばします。
5.今度は頭を右に向け、左足を伸ばします。
6.目線は肘に向け、足を床につかないようにしましょう。
動画を参考におこなってみましょう。
ドローインでお腹の内側の筋肉を鍛える
1.ハンドタオルを2枚用意します。
2.仰向けに横になり、足を肩幅に開いてひざを立てます。
3.タオルを1枚腰の下に入れます。もう1枚はお腹の上に乗せてください。
4.両手は手のひらを上にして、真っ直ぐ下に伸ばします。
5.お腹を使って呼吸をし、お腹が動いていることを確認しましょう。
6.他の筋トレと違い、ゆっくりと繰り返しおこなうことで鍛えられます。
動画を参考におこなってみましょう。
プランクで体幹を鍛える
1.うつ伏せに横になり、両肘、ひざ、つま先で体を支えます。
2.次にひざ、つま先を床から離し、肘だけで体を浮かせます。
3.そのままの状態でキープします。30秒が目安ですが、辛くなったらそれよりも短くてもいいので、ゆっくりとひざをつきましょう。
4.頭を下に向けたりそらしたりしないよう注意します。
腹筋と背筋を鍛えることができ、体幹を鍛えるためにも効果的です。動画を見ながらゆっくりおこなってみましょう。
腹筋を鍛えるだけじゃだめ?食事にも気をつけよう
腹筋を鍛えるためには、ストレッチや筋トレも効果的ですが、合わせて食事にも気をつけることが必要です。筋肉をつけるためには、極端な食事制限をおこなうことは逆効果となるからです。
エネルギー補給の炭水化物を取る
お腹が空っぽになっている朝や、筋トレやストレッチをおこなった後には、炭水化物をしっかりとり、エネルギー補給をしましょう。
食事から1時間は間をあけてトレーニングをおこなう
胃に食べ物が残っていると、消化にエネルギーを取られるだけでなく、気持ちが悪くなる原因にもなります。筋肉を作るタンパク質を中心にした食事を、トレーニングの1時間前には済ませておきましょう。
夜の食事は軽めにする
炭水化物など、消化に時間がかかるものを夜食べると、動かない夜の間に脂肪に変わってしまいます。タンパク質や野菜など、消化によいものを食べるようにしましょう。
筋肉を作るためにはタンパク質が必要ですが、カロリーを考えると抑えめにしたいときもあります。そういったときにはプロテインを活用するなど、脂質を減らす工夫も取り入れるようにしましょう。